うれしくなるかな?

あなたの笑顔が見たい。

大宅宗一郎の一言

草柳大蔵氏といえば、大宅宗一郎氏の門下生で「実録・満鉄調査部」など何冊もの著書がある硬派の評論家だが、草柳氏も若かりし頃、意に沿わない原稿を書いていた時代があった。

 

当時、氏の心の中には「こんなことをしていていいのだろうか」という迷いがあったはずだが、ある時草柳氏の師であった大宅氏に呼ばれて、「最近どんなものを書いているの?今度、もってこいよ」と言われたという。

 

草柳氏が「いえ、とてもお見せできるものじゃありません」と答えて素直に事情を打ち明けると、大宅氏は「そうか、 、 、」と言ったきり、黙ってしまった。

 

そして、しばらく経ってから、ふと思い出したように、「エロ記事を何枚書いてもそれはいい。しかしピカッと光る一行、これは一体誰が書いたんだと、人の目に留まるような一行を必ず書いておけ」と続けたという。

 

草柳はその言葉に感激し、思わず涙がこぼれおちた。